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カンガルー産業
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カンガルー産業とは?
はじめに 「この土地は呪われている。動物は走らずぴょンぴょん飛び、鳥は飛ばずに走り回り、白鳥が黒い。。。」 1688年オーストラリア大陸に上陸したオランダ人探検家、Drik Hrtogの言葉です。当時のヨーロッパ人からするとオーストラリアの動物は「奇妙」で「恐ろしい」得たいの知れないものだと感じ取っていたようです。 実際ヨーロッパの入植者達は「こんな土地で生活ができるわけがない!質の高いヨーロッパの家畜をこの地に持ち込み、土地をヨーロッパと同じような農地に開拓していかなくては。。」そう思ったそうです。 何万年も前よりオーストラリア固有の動植物と共存して生活してきた人たちがいるのにおかしな話ですよね?今でこそカンガルー肉はオーストラリア全土の大手スーパーマーケットで販売されていますが、当初はこのような理由でアボリジニの伝統的食文化というものは無視され続けました。。。 いずれにしても、オーストラリア固有の動植物を無視し、ヨーロッパより持ち込んだ動植物で新大陸を開拓していったのです。 結果どうなったか、、、 大量に持ち込まれた外来種とオーストラリアの土地に合わない農地方法を無理に行ったため、オーストラリアの自然環境は深刻なダメージを受けました 近年になってやっと、「この土地に合った固有の動植物をもう一度資源として見つめなおしていこう!」という動きが活発化しています。 このような事情があり、カンガルーも「オーストラリア固有の大事な資源」として捉えられるようになり、現在では産業として成り立っているのです。
産業背景 具体的に、なぜ見直されたかというと、、、
が大きく取り上げられます。 また、カンガルー捕獲は専門の生態学者の研究データを基に、生態系及び動物保護という観点から非常に厳しい基準を業者にかしており、州政府の厳密な統制化の下行なわれています。 -メモ- カンガルーは「皮」目的では捕獲できず、あくまでも「肉」を目的として捕獲しなければなりません。
カンガルーからどんな製品ができるのか? 他の家畜同様、カンガルーを資源とした場合、やはり「肉」と「皮」が大部分使われます。お肉はオーストラリア国内のほとんどのオ大手スーパーで買うことができ、ヨーロッパを中心に世界55カ国に輸出されています。 スーパーのカンガルー売場風景 カンガルーを販売しているオーストラリア大手スーパー
また、カンガルーの皮革製品は世界で最も強度のある軽量の革だと認められており、高級スポーツシューズやスポーツグラブに使用され、トップアスリートが好んでカンガルーレザーを使うのもそのためです。 カンガルー革を使用したサッカーシューズ
カンガルー個体数 オーストラリアには48種類のカンガルーが生息していることをご存知でしょうか? 珍しいものでは、木の上で生活をする「キノボリカンガルー」という種もいます。この48種類全てのカンガルーが捕獲できるのかというと、、、そうではありません。商業的に捕獲可能なカンガルーは、生息数が増加傾向にある、「アカカンガルー」、「ハイイロカンガルー」、「ワラビー」など大型のカンガルー6種と決められています。 では、実際にどのようにして野生カンガルーの個体数を把握しているのでしょうか? 商業目的で捕獲されるカンガルーの99%以上がオーストラリア内陸部の乾燥した放牧地で行なわれます。これらのカンガルーの個体数は高度な航空写真測定技術により観測され、各州政府により評価されます。200-300m程度の超低空飛行を可能にした改造航空機もしくはヘリコプターを使用し上空より撮影を行ないます。航空写真にはカンガルーのような大型動物ははっきりと映し出され、個体数を計測することが可能なのです。また、30年間のモニタリング実績に基づき総個体数を正確に推定する技術が開発されました。
カンガルーは世界で最も生息頭数の多い野生の大型哺乳類です。 (オーストラリア政府データを参考にしています) 2005年の統計では、カンガルーの固体総頭数は約2,500万頭といわれていますが、これはオーストラリアで飼育されている牛の数とほぼ同じです。(牛:約2,800万頭) なぜカンガルーの個体数はこんなにも増えてしまったのか?カンガルー増加には大きく二つの原因が考えられます。
つまり、人間がオーストラリアの生態系を破壊したことが大きな個体数増加の原因となっているのです。 ☆ちょっとマメ知識☆ なぜ農業用灌漑設備が整備されるとカンガルーが増加するのか? 乾燥地帯に生息するカンガルーはその過酷な自然環境に適応するため、干ばつでは繁殖機能を停止する習性があります。しかし、灌漑設備が整備されたことにより、干ばつに左右されなくとも繁殖が可能になってしまったのです。
捕獲割当制度 捕獲されるカンガルーの正確な頭数を把握するため、「捕獲割当制度」というものがあります。 この制度はいったいなんなのか? 野生のカンガルーを捕獲するには当然ですが、「捕獲のプロ」つまりハンターがいるわけですよね?彼らは闇雲にカンガルーを捕獲しているわけではなく、州政府が特別に発行している識別コード入りの専用タグの枚数分しか捕獲ができないのです。つまり「捕獲割当制度」とは「捕獲可能頭数をハンターに割り当てる制度」というわけです。 では、具体的にどのようにしてハンターに割当を行なっているのかというと、、、 まず、カンガルー捕獲が行なわれる国立公園は個体数の統計モニタリングデータを基に「カンガルー捕獲計画書」を作成し、連邦政府の環境保護局に提出をしなければなりません。承認を得られれば、その年の固体総数の10-20%程度を捕獲枠とし、各ハンターに割り当てることになっています。また、気候変動など自然環境の状況に応じて捕獲頭数の増減を調整する場合もあります。 州政府が発行した専用のタグを受け取ったハンターは捕獲したカンガルーにこのタグを付けることが義務付けられています。さらに、ハンターは月次ベースでタグの使用数、使用した場所、使用したカンガルーの種、性別、体重などの詳細を州政府に報告する義務があります。州政府はハンターからの捕獲データを基にそのエリアでの捕獲が超過していないことをモニタリングします。 具体的に州政府はどのようにしてエリアの捕獲頭数を管理しているのか? ニューサウス・ウェールス州を例にしてみると、、、 ニューサウス・ウェールス州は15のゾーンに分類され、その内14のゾーンで商業的カンガルーの捕獲が行なわれています。個体数はゾーンごとに割り出せれ、それを基に各ゾーンの動物保護局に専用のタグが発行されます。 また、使用したタグの詳細を州政府に報告し、全てのタグを使い切ったハンターだけが月に2度ゾーンの動物保護局よりタグを受け取ることができます。ゾーンでのタグがなくなれば、捕獲枠がいっぱいになったということで、その年のカンガルー捕獲は「終了!」というわけです。
需要に対するカンガルー個体数の比較 (※図の個体数変化は捕獲によるものではなく、自然環境による変化になります)
カンガルー捕獲者(ハンター)の資格 州政府発行の専用タグを受け取るには二つの政府機関が定めている特別なハンターライセンスが必要です。 ライセンスを取得するには、政府とその州が認めているTAFE(専門技術などの職業教育機関)を受講し、カンガルー捕獲に必要な特殊訓練を受けます。訓練ではカンガルー捕獲に関する規則をはじめ、動物福祉に対する理解、衛生学的な知識、銃器に関する知識・扱う能力を身につけなければなりません。これらを全てパスし、はじめてハンターライセンスが発行されるのです。 また、ライセンスを取得したハンターは連邦政府が発行している「Code of Practice for the Humane Shooting of Kangaroos(人道的にカンガルーを射殺する作業手順書)」の捕獲手順に従わなければなりません。 カンガルー加工業者(皮革・食肉・ペットフードなどの業者)が仕入れるカンガルーには必ずタグ付けされている必要があり、ライセンスを持っているハンターからではないと購入ができません。カンガルー加工業者は月次ベースで仕入れたカンガルーの頭数、仕入先、タグの識別番号を州政府に報告しなければなりません。
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